
知覚過敏処置は正確には象牙質知覚過敏症といいます。歯周疾患による歯肉退縮やSRP(スケーリング・ルートプレーニング※1)などにともなっ]てみられることがあります。根がハグキから露出すると象牙質に様々な刺激が直接伝わり、それが歯の神経まで届いてしみるのです。
象牙質には、無数の小さな穴があいており、これ(象牙細管)が刺激の伝達に関わっています。歯根の表面が露出していても、知覚過敏が必ずおこるわけではありません。上述の象牙細管の穴が自然とふさがって刺激を伝えにくくなればしみません。ところが、次のような場合は、知覚過敏をおこしやすくなります。
治療法としては、刺激を遮断する効果のある薬剤(MSコート※写真)を知覚過敏の部分に塗布したり、樹脂を詰めたりします。効果があった場合でも、歯垢が除去できていないと再発します。または知覚過敏に対する薬効成分が含まれている歯磨き剤を患者さんに使ってもらいます。これだけで十分な効果が上がることは少なく、補助的な治療法です。しかしながら知覚過敏は決定的な治療法がなく、治る場合でもかなり期間がかかる、やっかいな症状です。
◆MSコート
※1.SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
歯の露出根面に存在する病的セメント質の除去、歯根面の平坦化。微少歯石や内毒素、歯肉縁下プラーク除去のこと。つまり、歯根表面を薄く削り真っさらなセメント質を露出させます。これは歯根膜を再生しやすくするためです。しかし手探りだけに熟練が必要です。また歯や歯茎、膿漏の仕組みに精通して、感触から各種の診断を下す知識と判断力も要求されます。もしルート・プレーニングが上手く行われなかった場合、うすいセメント質が削られ象牙質が露出する結果、知覚過敏に陥ります。